リレートーク ドーピングに反対するアスリートたちの声

第2回 田辺陽子さん

アンチ・ドーピング活動に関してスポーツ界全体の理解を深めるために様々な方から「リレートーク」形式で直接現場の声を皆さまにお伝えして行きます。  第2回目の今日は、鈴木大地さんからのご紹介で柔道の田辺陽子さんにインタビューを行ってきました。

競技生活でドーピングコントロールを受けた経験はありますか?

田辺陽子さんオリンピック(バルセロナ、アトランタ)と、世界選手権(4大会)でドーピングコントロールを受けました。それからアジア大会やアジア選手権、フランス国際で、日本の大会では、オリンピック出場権を決める体重別選手権などで受けていました。ドーピングコントロールは、強さの象徴。強い選手だからこそ受けなければならないのです。入賞したときには必ずやるものだから当たり前と考えていますね。
オリンピックのときは、ドーピングコントロールの時間にも気を使っていました。せっかく入賞したのだから、時間に遅れてしまわないようにと。ドーピングコントロールが終わり、オリンピックだったら24時間以内にOKとなってはじめて、競技がすべて終わるのだと思っています。

普段の生活では、どんなことに気をつけていましたか?

神経質になることは、特にありませんでした。体調が悪いときには、病院に行って薬をもらいました。風邪薬など市販の薬はほとんど買いません。病院には禁止薬物リストを持って行き、成分を見てもらいましたし、大会が近いときにはチームドクターに相談するようにしました。

強くなりたいがためにドーピングをする選手もいますが?

スポーツは自分との戦いというところがある。嘘をついてまでやって、メダルを獲得しても意味があるのでしょうか。メダルの価値はもらってからがスタートで、自分でつくっていくものです。自分がどのように価値をつけていくか。だから、そのメダル自体がドーピングをして獲得したというのであれば、一生自分の中で傷つくのではないでしょうか。

JADAの理事として、今後の取り組み方を教えてください。

田辺陽子さんまずは、選手にドーピングコントロールについて理解してもらうことです。今、ドーピングコントロールの検査方式には、競技会検査と競技外検査の両方がありますよね。この内容について選手が知ることが大事です。ドーピングコンロトールは、決して嫌なこととか、マイナスイメージばかりではないです。アンチ・ドーピングの正しい知識を一般の人につけていただくように啓発活動を行っていきたいですね。
また、(選手とWADAやJADAの)橋渡しになれれば良いと思っています。選手や現場のスタッフの意見もいろいろ聞けるので、アスリートの立場として進言して行きたいです。何のためにドーピングコントロールをやるのかといえば、選手のため。選手あってのアンチ・ドーピングなんです。選手がいなかったら、そんなことはしなくてもいいのですから。
自分たちのいる世界なのだから、そこの中にいる人たちが努力して、いい環境をつくっていかなくてはいけない。やりがいがある仕事だと思っています。

ありがとうございました。

(聞き手:日本アンチ・ドーピング機構広報部会 伊藤リナ)

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